運用型広告のトレンド「かかる手間」から「かける手間」へ

■運用型広告とは

運用型広告とは、下記のように定義されます。

膨大なデータを処理するアドテクノロジーを活用したプラットフォームにより、広告の最適化を自動的にもしくは即時的に支援するような広告手法のこと。検索連動広告のほか、新しく登場してきたアドエクスチェンジ、SSP、DSPなどが典型例。また一部のアドネットワークもこれに含まれる。なお、枠売り広告のほか、タイアップ広告やアフィリエイト広告などは、運用型広告には含まれない。

出典:電通 2012年 日本の広告費

上述のうち、「広告の最適化を自動的にもしくは即時的に支援する」という点が、運用型広告の最大の特徴と言えます。これまで予約型(枠売り)広告に対し、運用型広告は、広告表示を細かくコントロールしながら即時的に効果を改善していくことのできる仕組みです。

「運用型広告を運用する」ということは、「広告表示機会ごとに最適な広告を届けるための一連の取り組み」であると言えます。

 ■運用型広告の業務領域

オーリーズでは、運用型広告の業務領域を下記の4つに大別して戦略を検討します。

  • 導入 : テクノロジーを理解し、よりよいチャネルや機能を選択・稼働させること
  • 運用 : チャネルの”操作可能なレバー”を把握し、それらを操作することで効果を最大化させること
  • 計測 : 計測基盤を構築し、施策にまつわるデータを正しく集計すること
  • 分析 : 計測データから価値のある意味を見出し、具体的なアクションに反映すること

運用型広告において、これらはどれも欠かすことのできない重要な要素です。それぞれの領域で最適なアクションを実行し、費用対収益を高めていきます。

 ■運用型広告のトレンドを理解する3つの事象

上述した業務を取り巻く環境が、近年は下記のように変化しています。

 1.「導入」は「多様化」 している

下記は、通俗「カオスマップ」と呼ばれている、インターネット広告業界の構図を表したものです。上段が2010年時点、下段が2014年時点を表しています。このように、広告がユーザーに届けられまでの間に、多種多様なプレイヤーが介在し、その数は増加し続けています。

2010年

Chaos-2010

出典:@hirohirokon のChaosMap_JP

2014年

Chaos-2015

出典:Jp chaosmap Hiroshi Kondo

この流れにより、運用型広告領域における、「よりよいチャネルや機能を選択する」という「導入」業務のハードルは高くなり、より情報収集力、選択力が問われる時代と言えます。

後述する「自動化」の流れも相まって、いかに優れたチャネルや機能を迅速に導入するかという点が、運用型広告のパフォーマンスを左右する重要な要素となっています。

 2.「運用」は「自動化」している

運用型広告における「運用」業務を、オーリーズでは「チャネルの”操作可能なレバー”を把握し、それらを操作することで効果を最大化させること」と定義づけています。「操作可能なレバー」とは、例えば検索連動型広告では、キーワード・広告文・誘導先・配信時間・配信エリア・配信デバイス・入札単価などがそれに当たります。最終的な広告表示を決定づける因数のうち、人によって操作が可能なものです。

近年ではこの運用領域において、テクノロジーの発展によって、人的作業であった領域が各チャネルの機能よって自動化され、より高いパフォーマンスを発揮できるようになってきています。

例えば、代表的なものとして下記が挙げられます。

Google AdWords PLA

商品データフィードの情報から、検索クエリに対して表示させる商品を自動で選定。

Google AdWords DSA

WEBサイトの情報を読み取り、入札するワード・表示する広告文・誘導するページを自動で選定。

Criteoパフォーマンスディスプレイ

商品データフィードの情報とユーザーの閲覧・購買情報から、パーソナライズされた動的な広告を自動で生成。機械学習により最適化。

 automation

 

現在も、人的作業による運用業務が重要であることには変わりませんが、上記のような自動化テクロノジーは、然るべきパラメータを設定しさえすれば、人的作業よりもはるかに優れたパフォーマンスを発揮し、また手作業による作業負担からも解放されます。

今後も自動化の領域が拡大していくことが予測さる中、いかに正しく迅速に自動化テクノロジーを取り入れるかが重要なポイントと言えます。

 3.「計測」は「断片化」している

かつてはインターネットへの入り口はデスクトップPCからだけでしたが、ノートPCやスマートフォン・タブレットなどのスマートデバイスの爆発的な普及により、様々なデバイスからのアクセスが可能になりました。

また、かつては一部の個人や法人だけが運営していたメディアは、ブログやソーシャルメディア、アプリなどの普及によって多様化し、いくつかのメガメディアのみがアクセスを集めるのではなく、数えきれないほどのマイクロメディアが点在するようになりました。

flag1

yaji

flag2

多様なデバイス、メディア、アプリケーションによってアクセスが細分化していく「フラグメンテーション(分断、分散、断片化)」が加速し、メディアの視点で見れば「メディア・フラグメンテーション」、デバイスの視点で見れば「デバイス・フラグメンテ―ション」、ユーザー単位で見れば「オーディエンス・フラグメンテーション」が発生しています。

これらの事象が運用型広告に与える影響は、運用領域もさることながら、何よりも広告効果測定の難易度が上がります。あらゆるメディア、アプリ、デバイスを通じて描かれるカスタマージャーニーをできるだけ的確に捉え、それぞれのタッチポイントで貢献した広告に対して、正しい評価を下していく必要があります。

■運用型広告にかけるべき「手間」の力点変化

上述の環境変化を受け、運用型広告業務において求められる力も変わります。 下記図は、上述した4つの運用型業務領域に対して力を入れるべきポイント(手間)を抽象化し、「これまで」と「これから」という時系列で比較した図になります。

power1

yaji

power2

 

「導入の多様化」、「運用の自動化」、「計測の断片化」という流れを受け、 かつての運用と計測に手一杯だった時代から、それらをテクノロジーが代替しつつある現在では、「よりよいチャネルや機能を選択・稼働させることと、計測データから価値のある意味を見出し具体的なアクションに反映すること、つまり「導入力」と「分析力」が求められる時代であると言えます。

■これからの運用型広告とどう向き合うか

上述のような力点変化が起き、運用型広告業務領域に対し「かかる手間」から「かける手間」への意識変化を持つことが、これから運用型広告と向き合っていくために重要であると言えます。そして、4つの業務領域の中で、より重要性が高まってくるものが「分析」する力と「導入」する力であると考えています。

osarai2

 

Comments are closed.