【寄稿】ネットショップ担当者のための運用型広告ゼミナール

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こんにちは!株式会社オーリーズの鈴木多聞と申します。
この度ネットショップ担当者フォーラムさまよりご縁頂き、インターネット広告の中でもリスティング広告に代表される「運用型広告」について全6回に渡り連載させて頂くこととなりました。連載開始ということで少し緊張気味ですが、最後までお目通し頂けますと幸いです。

さて、本年2015年は、1995年の「日本のインターネット元年」といわれた年からちょうど20年となります。第1回のテーマということで、インターネット広告業界の全体像を把握して頂くことを目的に今日までのインターネット広告の歴史を振り返ることでインターネット広告と運用型広告がどうような変遷をたどってきたのかを一緒に見ていきましょう。

インターネット広告と運用型広告について

2014年の日本のインターネット広告費は1兆519億円といわれており、広告媒体費は8,245億円、広告製作費2,274億円となりました。
この広告媒体費は大きく2つに大別され、「枠売り広告」と「運用型広告」となります。
実は運用型広告は年々その存在感を増しており、運用型広告対枠売り広告費で2012年に約5体5と肩を並べ、2014年段階では約6対4となっています。また2020年には7対3になるという予測データもでているようです。

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ここでよくみなさんに「そもそもインターネット広告のバナーって予約して購入するものじゃなかったの?」「枠売り広告(純広告)と運用型広告の違いがよく分からないんだけど?」とご質問頂きます。
1996年、当初のインターネット広告はご質問のとおり、予約して枠を買う、つまり純広告といわれる看板や雑誌とよく似た形で販売が行われていましたが、 広告技術が発展することにより広告ネットワーク上にあるWEBサイトの広告枠であれば、誰もが瞬時に購入できるようになりました。

これに伴い「予約して枠を買う」広告に対し、1回1回の広告表示に0.1円、あるいは1回のクリックに50円という形で入札を行って「トレーディング(運用)を行う」ことで広告を出稿できる仕組みが発展してきました。

百聞は一見にしかずと、みなさんが普段接している具体的な運用型広告の事例をご紹介すると、 分かりやすい例は、Google検索結果の上部に出ているものや、ブログメディアの脇の方に画像(バナー)で表示されているものがあります。 また、YouTubeの動画広告やFacebook広告の大部分も運用型広告に含まれます。
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もう少し詳しくご案内すると、電通さんが「日本の広告費」2012年版において運用型広告について定義されておりますので、ご参考までに記載させて頂きます。

”インターネット広告媒体費における小分類の変更について”
スマートフォンやタブレット端末の普及等によるデバイスの多様化や広告関連技術の進展による業界構造の変化に伴い、従来の発表で採用していたモバイル広告、 検索連動広告※1という小分類が業界実態に適さない面が出てきた。このため、検索連動広告を含む広告配信の新手法を包含する「運用型広告」を新たな小分類として設定した。
また、デバイスの急速な多様化に伴い、デバイスを基点とした小分類は今後の発表では用いないこととする。
運用型広告とは、膨大なデータを処理するアドテクノロジーを活用したプラットフォームにより、広告の最適化を自動的にもしくは即時的に支援するような広告手法のこと。 検索連動広告のほか、新しく登場してきたアドエクスチェンジ※2/SSP※3/DSP※4などが典型例。また一部のアドネットワーク※5もこれに含まれる。なお、枠売り広告のほか、 タイアップ広告やアフィリエイト広告などは、運用型広告には含まれない。
※1 2011年まで発表していた「検索連動広告」には、厳密な定義による検索連動広告には当てはまらない運用型広告も一部含まれている。
※2 アドエクスチェンジとは、複数の「アドネットワーク」やメディアから、入札方式で広告在庫を購入できるサービス。
※3 SSPとは、Supply Side Platformの略。インターネット広告で、媒体社側からみた広告効率の最大化を支援するシステム。
※4 DSPとは、Demand Side Platformの略。インターネット広告で、広告主側からみた広告効果の最大化を支援するシステム。
※5 アドネットワークとは、異なる複数のインターネット広告メディア(サイト)を束ねて広告をネットワーク配信する仕組み。

この定義を見ると、デバイス環境の変化やアドエクスチェンジ・SSP/DSP・アドネットワークなど広告技術の進化に伴って「運用型広告」の定義そのものが変化してきたことが読み取れますね。
ではより運用型広告についてご興味を持っていただくためにインターネット広告と運用型広告の歴史について簡単にご紹介していきます。

インターネット広告の歴史と発展の過程

1996年頃~【バナー広告(純広告)】が台頭

 「Yahoo! JAPAN」がサービスを開始、同年にバナー広告の取り扱いを開始。

1996年頃~ 【アフィリエイト広告(成果報酬型広告)】が台頭

成果報酬型インターネット広告Amazon.com「アソシエイトプログラム」として世界初のアフィリエイトプログラムが誕生。

2002年頃~【リスティング広告(検索連動型広告)】が台頭

Google Adwordsがサービスを開始。
Overture(現Yahoo!プロモーション広告)がサービスを開始。

2003年頃~【コンテンツマッチ広告(サイトコンテンツの内容に応じた広告)】が台頭

Google Adwords(コンテンツターゲット)を開始。(Google AdSenseの枠やGoogleが持っている広告枠に広告を配信)
Overture(コンテンツマッチ)を開始。 (閲覧しているWebページの内容に応じた広告を表示)

2005年頃~【行動ターゲティング(Cookieデータをベースにユーザーの傾向をターゲティング】が台頭

ユーザーのCookieデータに基づき広告を配信する手法が注目を浴び始める。(オーディエンスターゲィングや興味関心連動型広告やリターゲティング広告につながる)

2008年頃~【アドネットワーク広告】が台頭

広告媒体のWebサイトを多数集めて「広告配信ネットワーク」を形成し、その多数のWebサイト上で広告を配信するタイプの広告配信手法が進む。

2010年頃~【アドエクスチェンジ】が台頭

2010年頃 特定の広告枠におけるインプレッションを入札方式によって売買する方式が誕生し、広告枠の取引市場化・リアルタイム入札(RTB)が進む。

2011年頃~【オーディエンスターゲティング】が台頭

Cookieをもとに複数のウェブサイトにおけるユーザーの行動履歴を横断的に収集し、これに基づいた最適な広告を表示。
複数のアドネットワーク/アドエクスチェンジに対して、横断的にディスプレイ広告(バナー広告)を出稿できるシステムのDSP(Demand-Side Platform)と 媒体社(メディア)の広告枠の販売や広告収益の最大化などを支援するツールのSSP(Supply Side Platform)が参入。
※第三者配信やアトリビューション分析、DMP、動画広告などもこのころから徐々に注目を浴び始める。

2013年頃~【データフィード広告】が台頭

商品リストなどのデータフィードを活用した広告配信やレコメンド広告が注目を浴びる。

と振り返ってきましたがいかがでしょうか。
一見複雑なようにみえるかもしれませんが、運用型広告はインターネットテクノロジーの進化の中で、 「広告主は効率よく、かつ効果的な広告出稿をしたい。媒体社は自社メディアの価値を高め、広告による収益を上げたい。そしてユーザーはより便利にインターネットを使いたい。」
という要望に応えるべく「広告主と媒体社そしてユーザーの3者をより最適かつ効率的にマッチングするため」に広告の仕組みそのものを変え日々進化してきたと言えますし、 これからもその流れは加速していくでしょう。

各々の機能や背景詳細をご案内するにはとてもとても時間が足りませんので、これを機に是非いろいろお調べ頂けますと幸いです。
また、昨年(2014年)はデータフィード最適化やネイティブ広告といったキーワードが注目を集めました。
※弊社ではこの辺り含め定期的に勉強会を行っていますので是非ご参加ください。
【7/17開催】『共同開催』運用型広告トレンド&ノウハウ勉強会 飽和必至!?知っておきたいインフィード広告~運用型広告・Web情報活用・データフィード最適化の活用と実践~
次号は「ネットショップにおける運用広告の現在とこれから」と題し、ネットショップ担当者の方は是非知っておきたい運用型広告の具体例についてご案内いたします。
最後までお読み頂きありがとうございました、次回もよろしくお願いします。

参考:電通 2012年 日本の広告費 http://www.dentsu.co.jp/books/ad_cost/2012/media4.html
参考:Digital Marketing Lab 広瀬信輔氏 http://dmlab.jp/web/history.html
参考:アドバタイジングドットコム・ジャパン http://www.aolplatforms.jp/
参考:デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム http://www.dac.co.jp/
参考:サイバーコミュニケーションズ http://www.cci.co.jp/

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